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2012/10/27

パワーポイントの功罪

最近の講演は聞いていて退屈、苦痛なものが多いような気がする。
講演は1時間半から2時間というのが定番である。面白いと話に引き込まれあっという間の時間である。しかし面白くないとこれが苦痛である。
昔は若かったという事もあるかもしれないが時間があっという間に過ぎる講演を聞き感動したものだ。話がうまい、聞きやすいのがテレビのアナウンサー。さすがに聴衆のツボを心得ていて聞いていて心地よい。感動した講演、今も鮮明に覚えている。『山口一門』昨年亡くなったが、以前の茨城県玉川農協組合長、全国農協問題研究所会長を務められた方で、その迫力ある話に圧倒され休憩を取っての3時間はあっという間に終わってしまった。聞いたのは今から30年くらい前だったと思うが、農協が本来の目指すべき相互扶助の精神から外れているのではないかと警鐘を鳴らした。はっきり覚えているのが、「農業が嫌いな農家のせがれが農協職員になる」「農協は物売りに走りすぎている。職員にノルマが課せられ保険の勧誘、背広や家電の注文など、通常業務終了後組合員の家を訪問している。そのため農家では車の音がすると、農協が来たぞということで家の電気を消して息をひそめている」など皮肉たっぷりに面白おかしく話した。農協職員が話すので余計に面白く農協のあり方を問いかけた。
『久保田武嗣』教師、現在もご活躍中と聞いている。1980年頃の実践を話された。東京教育大学卒業後上田市の私立城南高校で教壇に立った(現在の上田西高等学校)当時私立高校はその地区では唯一の学校であり「官尊民卑」の風潮の残る長野県では私学の進む道は険しく、落ちこぼれ、非行など繰り返す生徒が多い学校であった。その中で最もひどかった2年C組を受け持つようになる。なぜ2年からかというと、1年時の担任があまりに荒れるクラスのため病気になりやめてしまったからである。その後を引き継ぐこととなった。その2年間の葛藤、いかにクラスを立て直したかを熱く話された。話の中で「美紀」(仮名)という生徒を中心に話が展開していく。この生徒がどうしようもない生徒で非行の限りを尽くすわけであるが、久保田氏はなぜか彼女の持っているスケールの大きさに着目して更生させクラスのリーダーになることを思い描いていた。しかし何度も彼女に裏切られ警察の厄介になり、職員会では退学しかないと判断し本人・家族から退学願が出るが、一時預かりとしてその後本人を説得して復学させる。そして最後は「美紀」がクラスを引っ張り感動の卒業式を迎える。というストーリーである。
親から「私立高校に子供を通わせているというだけで、私たちがなぜこのような惨めな思いをしなければならないでしょうか」と訴えたことに胸を痛め保護者会を強固にし、やがて親たちが率先して学校行事に参画しこのクラスを立て直す一役を担うことになる。最後の卒業式の場面では聞いている我々は涙を止めることができなかった。本当に素晴らしい2時間を与えてくださったことに感謝している。
ではなぜ最近の講演はつまらないのであるか。それは【パワーポイント】である。何か勘違いしているのかパワーポイントを駆使出来ないと講師でないと思い込んでいるのではないだろうか。確かにパワーポイントの良さは認める。数字をグラフ化する、写真・動画を織り込める、等たくさんある。しかしパワーポイントの画面と同じものが資料として配られ、薄暗い会場でスクリーンの画面が変わるたびにその資料を確かめながら聞く。講師もスクリーンの説明箇所を「今ここだよ」と言わんかのように、レーザーポインターで追っていく。
こんな講演、感動を呼べますか。講師の身振り手振り、表情、聴衆を講師の訴えようとする世界に引き込んでいく話術、これらが融合して感動する講演会になるのではないか。20年も30年も前の話を覚えているのはそれがあるからだ。
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プロフィール

加々見保樹

Author:加々見保樹
山梨県との県境、長野県富士見町葛窪の住人
現在富士見町議会議員です。

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